タンポポ調査(5) 2015年の三重県での調査
この調査が西日本全域で行われるようになったのは2010年で、その後5年おきに行われています。それ以前は関西8府県で5年おきに、その前には大阪府で行われていました。
結果として分布図だけを見ていただきます。まず前提として、タンポポは森の中では見られません。地面に張り付く植物なので、上からの光が強くないと生育できないのです。もちろん他の草が上に茂っても駄目です。タンポポを見たことがある場所を思い出していただけばわかります。いつも草刈りをしていて、光が当たる場所です。
日本には基本的に草が茂らない環境はありませんから、タンポポという植物は人間の活動がある場所、人が草刈りをしてくれる場所にしか見られません。人間が活動を始める前にはどこにいたのかわからない、不思議な植物なのです。おそらく山崩れや洪水などの自然災害でできた空き地などで細々と生育していたのではないかと想像しています。
全体で3002の資料が集まり、黄色い在来種は5種類で、名前と数を並べると、カンサイ(404)、セイタカ(16)、トウカイ(333) 在来の倍数隊では、クシバ(4)、ヤマザト(7)で、ごく少ないことがわかります。シロバナ(245)、キビシロ(51)、外来種ではセイヨウ(453)、アカミ(69)、種の同定ができていない外来種が1316で、この中に雑種も入っています。あとはタンポポ以外(104)です。(布谷)
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